第一章 変額保険の販売の背景
変額保険の販売の背景について
第一章では、変額保険が日本で販売開始されるに至った背景などを学習します。
毎回必ず1〜2問出題されますが、出題される内容はほとんど一緒であることが多く、キーワードのポイントさえ押さえておけば確実に得点ができます。
大きくは下記の4つに分類されます。
- 1.金融の自由化
- 2.お客さまニーズの多様化
- 3.変額保険の販売
- 4.変額個人年金保険販売の背景
1.金融の自由化のポイント
重要度 中
生命保険市場をとりまく環境は、金融の自由化やお客さまニーズの多様化などにより大きく変化しています。この変化に対応するために、「変額保険」や「変額個人年金保険」が発売されました。
「金融の自由化」には、金利の自由化に関するものと業務の多様化に関するものがあります。
金融の自由化
経済環境の変化により、お客様が金融に対して求めるものが変化しますが、その変化に対応するために従来の規制を緩めて金融の活動範囲を広げる必要がでてきます。これが金融の自由化です。
金利の自由化
国債の大量発行や金融の国際化により、公社債市場や海外市場といった自由金利市場が拡大しました。この結果、資金はより高い金利を求めて、政策的に低く抑えられていた銀行預金などの規制金利市場から自由金利市場へ流れるという傾向が強くなりました。
業務の多様化
以前は分業主義で銀行・証券・信託・生保・損保などと区分されていましたが、銀行などによる公共債の売買や証券会社による預金類似商品の取り扱いなどお互いの業務に乗り入れる傾向が拡大しました。
2.お客さまニーズの多様化のポイント
重要度 低
金融商品を選択する際にお客様が重視している要素として、およそ2人に1人が安全性を、4人に1人が流動性を求めており、収益性を求めている人はおよそ6人に1人となっています。
このようなニーズを満たす金融商品の一つとして、貯蓄機能・保障機能を兼ね備えた生命保険にも収益性を求めるお客様の期待が高まりました。
3.変額保険の販売のポイント
重要度 低
金融の自由化やお客さまニーズの多様化などを背景として、昭和61年10月から変額保険が発売されました。
変額保険の資産運用は主に株式や債券などの有価証券を中心に行われているため、経済・金融情勢の動きに極めて敏感に反応するという特徴があります。
「安全性」を確保しつつ「収益性」も追及したいというお客さまのニーズの多様化に対応するため、変額保険の販売に際しては、長期的な「収益性」を追求する資産運用を原則にしていることを念頭に置き、短期の運用実績ばかりを強調するのではなく、「保障性」を兼ね備えた保険商品として、長期的な視野に立った販売を行っていくことが重要です。
4.変額個人年金保険販売の背景のポイント
重要度 低
長引く超低金利や少子高齢化の進展による老後生活保障に対する不安により、自己責任による資産形成ニーズが高まり、平成11年から日本でも変額個人年金保険の販売が開始されました。
変額個人年金保険の販売動向
平成14年10月の「銀行窓販」での年金商品解禁から、変額個人年金保険の販売件数は、一時払契約を中心に拡大を続けていましたが、平成20年9月のリーマン・ショックなどにより、金融情勢が不安定となっていることの影響等を受け、近年実績は大きく減少しました。
このような状況のなかで、株価の急落などに伴う金融商品のリスクについて、お客さまへの十分な説明が、より一層求められています。